「自分でできるコト」を増やす

 川西珠算学院ではそろばん指導を通じて、生徒の皆さんの人間教育も重視しています。短期的な尺度ではなく、子供たちが大人になった時に一人の立派な大人としてしっかりと独り立ちできるようにということを常に考えています。当学院には多くの先生が在籍していますが、全員がそろばん指導以上に人間教育を大切に考えています。

 ところで、最近は「指示待ち族」があまりにも多くなったということを知り合いの会社社長が嘆いていました。これはもちろん、子供たちの話ではなくサラリーマンの話ですが、こうした社員には責任のある仕事・ポジションを任せられないとも話していて高学歴の社員にも多くみられるそうです。こうしたことは初等教育期の習慣で改善することができますし、幼児期から学童期にこそ、しっかりと形成してあげなければなりません。

 当たり前の話ですが、みんな誰もが昔は赤ちゃんでした。赤ちゃんの時は自分のことなんて何一つできません。身の回りのことは全部周りの人がやってくれます。それが成長するとともに自分で歩けるようになり、自分で食べたり飲んだりできるようになったりと少しずつ自分でできることが増え、そして自分のことは全て自分で出来るようになる。それが「大人になる」と言うことです。

 当学院ではこうした考えのもと、子供たちの年齢に応じた「自分でできるコト」を増やすように指導をしています。遅刻したときに自分で説明する、教室に忘れ物をしたかなと思った時には自分で電話をかけてきて自分で聞いてみる、検定試験を受けるかどうか聞かれた時に自分で判断する、上級者もしくは高学年になったら自分で目標を設定するなどです。

 昔、保護者懇談をした際、あるお母様が、(教室に忘れ物をした時に)子供に電話をかけさせることも考えたが先生に失礼な言葉遣いをするのではないかと思い、私(お母様)がかけましたと言われたことがありました。失礼な言葉遣いが通用するのは子供のうちだけですし、そうした経験を積んでいくことが子供たちの成長に繋がるので、是非、可能な時はお子さんから連絡をさせるようにしてあげてください。大丈夫、それくらいのことはもう自分でできますよ。もう赤ちゃんではありませんので。